2013年6月12日水曜日

音楽で倒れた話

  これブログに書こうか書かまいか迷ったのですが。。
 先日TIM HECKERの初来日のライブを拝見しにWWWへ行って参りました。



 この人っす。この人にやられたっす。ツイッターでもちょっと呟いたのですが、演出で完全消灯の中、PAさんも含めて出音を全部頭の中に詰め込んで処理していったら、ラスト5分ぐらいの所でそれが飽和して、彼の狂気の逆鱗に触れて、完全に意識が飛んで倒れて立てなくなったっす。これギャグかと思うかもしれないですが、本気で失神するほどやばかったとかじゃなくて、マジで失神して退室したっす。

 こういう風に音がなってるからこうなってああなってるからこうだみたいな説明をいつもこのブログで好きな音楽に対して書いているのですが、これに関してはどう説明したらいいかわからん。。アンビエントやノイズっていうジャンルをどう説明するとかじゃなくて、TIM HECKERが説明できないっす。。天才すぎて。こういった経験も初めて。
 正直に書くと、ブリアルとかフォーテット、モードセレクターとか大好きなんだけど、TIMと比べると彼らが子供に見えた。。。比喩的な意味で。カテゴリーが全然違うので比べて好きな人には申し訳ないですけど。。

 ただ聞き込んだ今の段階で言えるのは、音楽で風景や時代を想起させられるということ。抽象的な音から抽象的なイメージを投影させているので、結構聞き手にとってはがっつり音像が入ってくるというか。
僕のその個人的にTIMさんの音から感じたイメージは、インダストリアル(例えば産業革命)に対しての宗教的な背徳感と、絶対不可侵の超自然的な(寒い土地の海とか荒野とか流氷とかオーロラ、カナダ的な…)領域みたいなww
意味不明なんですが、聞いていて本当にそう思ったので正直に書きます。。

 音楽って本来絵や彫刻、美術品みたいな評価のされ方をされなければいけないのかも。。って思いました。例えばピカソやモネの作品を先人達が必死に言葉で説明しようと努力してきて、結局最終的には見る人の感じ方にゆだねるみたいな。ルールは無いから安心しなよみたいな。


最近のこのインタビューで多くは全然語ってないのですが、(というか語らない人なんだろう)
「自分にとって感情や興味が沸き上がるような音楽を作ることにフォーカスしている。平穏を保ち、美しくグロテクスで、みんなが聴いてくれるような音楽であればと思ってる。」って言ってます。結局まあそういうことなんだな〜。こういう聞き方であってるんだと思う。全て彼の思惑通り。

でも日本人を失神させるとはおもってなかっただろうなw

 まあ、失神はしたけど、本当に行って良かった。完全に音楽はやり尽くされたって思っていた中で、彼の全てが謎に包まれたライブセットを見てなんか可能性が垣間みれた。ありがとう!あのライブの後ノイズ、アンビエント、そしてまたミニマル(音楽的な意味でのミニマル)中毒になって完全に変態に磨きがかかってる気がする。

 そしてコンプがかかった普通のキックとか、更にもろにブレークビーツっぽいのまでちょっと聞けなくなった。ドラムンベース今絶対作れない。。最悪。 ありがとう!

 今自分の中で用語を作っていってるんですけど、
1 曲を聞き終わることを「完走
2 TIMとか変態ノイズアンビエントから違うジャンルの音楽を聞けるようになる状態のことを「下山

と名付けました。オナニーですけど。




 最後に彼の好きな曲でIn The Air I II III


 ちょっと、左上の変なパンの振り方で微妙なノイズが途中で入ってきて気になって寝れなくなって更に下山が遅くなるので注意っす。ドローンに惑わされてこの曲完走するのが一番っす。危険です

最後と言いましたが、あと今回WWWに来ていたお客さんが全員ちゃんと音楽聞いてるのにはびびった。普段クラブとかでやっているので、それとのギャップに驚いた。作り手にとってこのシチュエーションほど嬉しいことはないし、やりがいあるだろーなーっておもった。もちろんみんなで楽しく空間を共有する場も大事だけど、こういう同じエレクトロニカというジャンルで音楽に全員が同じ方向向いて演者の奏でる音楽に没頭するのが自分にとって新鮮すぎて、羨ましく思った。

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